ふじのくに美しい森林づくり 緑の基金 設立趣旨
静岡県の森林は県土の64パーセントを占め、私たちの豊かな暮らしや生命財産を守っています。
先人が植林し守り育ててきた人工林21万ヘクタールの9割は、本格的な利用期を迎えており、森林資源として循環利用することによって、二酸化炭素吸収機能の維持・向上による地球温暖化防止への貢献、また、近年、頻発する大規模な豪雨被害など、自然災害に対する土砂災害防止や洪水緩和といった機能の発揮が期待されています。
こうした中で、静岡県では、「森林との共生」による持続可能な社会の実現に向け、森林を守るだけでなく、将来にわたりその機能を維持していくため、主伐・再造林の促進による森林の再整備に取り組んでいるところです。
生活様式や経済活動の変化に伴い、人と森林とのかかわりが薄れている現代社会において、私たちにも、先人の意思を継ぎ、将来を見据えこの森林を守り、育て、活かす「森林との共生」が求められています。
「伐る、使う、植える、育てる」の基本理念を貫き、将来にわたって森林資源を確保し経済の発展に資するため、さらには、2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)に寄与するためにも、私たちが率先して行動していく必要があります。
しかしながら、過疎化や高齢化の進展に加え、深刻化する野生鳥獣被害の影響により、森林所有者の経営意欲は減退しており、持続的な林業経営を確立すべくコストダウンを志向しつつも、再造林に要する負担は軽度のものではありません。
以上のことから、ここに県内・外に所在する民間事業者が相互に協力、連携して、森林所有者等が行う主伐・再造林の経費負担を軽減することにより、再造林の確実な実行と持続的な林業経営を確立し、ひいては持続可能な社会を実現していくことを目的として、「ふじのくに美しい森林(もり)づくり 緑の基金」を設立するものであります。
令和元年12月13日